薬剤師とは、その地域の特性や環境、連携の程度・範囲・職種の種類などで、様々な対応をしなければならない職業です。
興味のある先生に会いに行きながら、その仕事や人柄に触れて感じたことや気づいたこと、感動したことや見習いたいと感じたことなど、旅程を振り返りました。数回のブログに分けて投稿します。
- ゆう薬局と船戸一晴先生への興味
京都府京丹後出身で同地にお住まいの先生本人が、ラジオDJをしたり、災害支援に出かけていたり、舞鶴や京都市内まで車で走り回っている姿、常に前向きで、どんな人に聞いても「船戸先生はすごいよ」という印象を語られていること、薬剤師の分野では収まりきれない能力のある人なんではないか、どんなことを考えて、どんな視点でモノを見て、どういうふうに企画をたて、どうやって人とのコミュニケーションを取っているのだろう。そして、その彼がいるゆう薬局も、地域においての活動は多岐に渡り、積極的な地域の人々とのコミュニケーションをとる薬局として注目されるグループ。彼を通して、我々が見た京丹後の「ゆう薬局」の姿と、その場所に感じた「船戸イズム」を紹介したい。
- 天橋立(船戸先生に会う前にちょっとだけ観光)
午前中に京都に着いた我々は、関東人なら京都・舞鶴と言えば海の幸と天橋立というほどベタな発想で、天橋立に向かった。東京から600km走った先のその街は、平日というのに人と車で溢れていた。観光バスと列を成した人が聞きなれない言葉を発しながら、歩道のない道をゆっくり通り過ぎていくという光景がここにも戻ってきている。時事ネタで恐縮だが「股のぞき」で崖の下に落ちてしまった現場にも若干興味はあったが、海を渡るその細長い島のような景観はどこかで見よう、と、見つけたのは、天橋立駅近くの桜山第一展望所。木々に囲まれた展望所へは、急な斜面を木で作られた階段と手すりで整えたものだ。おそらく、水難の際にここを上がって避難するための場所でもあるのだろう。息を切らしながら登り切った展望所には、海に向かって平らに開けた土地の端に、いくつかの岩を重ねた場所があった。はじめのうちはそこに座って天橋立を望んでいたが、ふと思い立ってその岩の上に立った。その景色は、曇天にもかかわらず、雄大な迫力、かつ、繊細な美しさだった。
しかし、薬剤師としてこの場所で仕事をすることを考えた時、さまざまな気づきが見えてくる。道路の脇の様子や、駐車場、休憩スペース、公園、インフラ全般。「観光客が訪れる場所」と「生活圏」の境目がとても気になった。
- 舞鶴
仕事を終えた船戸先生が舞鶴のホテルに到着されたのは、ちょうど約束の時間であった。ここに来るまでに、新規オープンの薬局の立会等々で忙しくしていたはずの船戸先生だが、和やかで明るく、全く疲れを感じさせない。
船戸先生とのお話は、企業内での仕事、他団体とのコラボ企画の仕事、地域の活動、個人のフィールドワークについて。そして船戸先生の活動は、地域の目線、地域の困りごと、地域の楽しみなど、全ての視点がホームグラウンド上にあるということが特徴だと感じた。
困りごとは、活動の種子。その種子は市民の生活の中にある。
今回の京都旅の本質、薬剤師、医療、そして市民の生活に関する具体的な「気づき」を書き記していきたい。