そもそも、町の薬局で育った私が思うに、昔は薬剤師の地位は無いに等しかった。
処方箋発行も無かった。
20歳の時、薬事法を見て、これは何のための法律かと感じた。
薬剤師の為の法ではないのか?
処方箋分業が始まると薬剤師不足が叫ばれ薬剤師の給与が表に出るとともに、その必要性と重要性が高まり始めた。
同時に、薬剤師不足から新設校が次々でき
薬学の製造や分析を中心とした学問から、6年制の臨床薬剤師育成校として成り立つようになった。
その分、今度は生産管理、薬事等、様々な分野が弱くなったように個人的には思え、
今の若い薬剤師は何を考えているのだろうと、4年位前から手探りで始めた。
元気なのはいいが、1歩間違えれば薬剤師全体を貶め兼ねない行為も存在し、調べていくうちに、
法律的に大変危険なことでもあるというのが私の感じたことだ。
薬剤師行動規範はあるが、他の士業の様にいかないのは個人国家資格であるのに所属が株式会社だったりするためなのではないか?
だからこそ個人が持つ道徳と集団としての倫理感に差が出るのではないか?
更に言えば倫理学以上に、現実問題で起こる現場状況に法学が設定されていない
法学者の先生に話すと、我々薬業界の行為は一方的な法的解釈であり、法律的不完全な業界と言う結論を導き出せた。
後輩達が安心して勤められる環境を作らなければいけないと感じた。
その想いに賛同してくれた理事代議員にはここで感謝を言いたい。
これからの薬剤師は、薬の知識だけでは到底難しく業務サポートするITを含めた技術発達している以上、他分野の勉強もしてからの薬学であっても良いのかもしれない。
また今後は様々な人たちが薬学に入ることを考えた場合、国籍、肌の色、思想で差別があってはならない。
現在薬剤師をされている先生方に、一度ゼロに戻って読んで欲しい。
倫理もさることながら、法学や様々な勉学がこの資格には今後必要でとなるであろう。その先駆けとしてこの会を設立した。
春になる前に、土を耕し、種を植え
その作業がなければ、花も咲くまい
その作業に、私たちが取り掛かり始めた
出来上がった 知識、知恵、経験という果実を譲り渡す作業をしなければならない
後輩たちへの最高の贈り物になるように
そして私は様々な先生方に話を伺う事にした。薬剤師に法と倫理がいかに必要か、訪問記として皆さん読んでほしい。
※会員優先で公開始めました。
令和7年3月3日 薬剤師倫理学会 渡邉 弘悦